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#021 The standard trench Prologue

プリント

 

 

— Prologue —

 

 

『 トレンチコートができるまで… 』

 

 

いやぁ〜、今回は実に長〜い長い道のりでした…。
ようやくここまで辿り着き、ホッとしております。

トレンチコートの企画は遡る事、昨年の春頃からはじまりました。
その年の秋には発売する予定で動いておりましたが、
何せ山あり谷ありで今に至ったのであります…

 

 

プリント

 

 

 

 

『 トレンチを作ろう! 』

 

 

最初のコートを作る時にも「トレンチ」の名前は挙がりましたが、まだ少しハードルが高いような気もしまして、まずは老若男女人を選ばずといったイメージのステンカラーから着手したのでした。 そして振り返れば、シャツ・パーカー・カーディガン・チノパン・Vネックセーター・リブタートルにデニムまで、ベーシックアイテムと呼ばれるものはそこそこ揃い、さらにはメンズアイテムまでラインナップされるまでになり、いよいよ「トレンチ」に着手しようではないかという段に至りました。

ただ「トレンチ」は着こなすにしてもハードルの高い1着。世の中にはたくさん着ている人はいるけれど、着こなせているかどうか?!は、これまた???です。ワタクシ担当に限っては、いろんな意味で身の丈に合ってないアイテムだなぁと敬遠さえしていました…が、出来れば手に入れたい大人の逸品ではあります。これを機に誰もが納得のいく1着を目指し、さぁ、ものづくりのはじまりです。

 

 

 

 

 

 

『 型・素材を決める。 』

 

 

まずは、デザイン。
街を見て歩き、そして様々なタイプのものを試着して、
さらにLBスタッフから情報を収集し、素材も含め、
パーツパーツ細かく決めていきました。 もともと、陸軍用の防寒(防水)
コートとして開発されたものなので、実用性が高く多機能。 それを、
イメージを崩さず現代でも着やすいよう、女性用にカスタマイズしてみました。

 

 

 

 

 

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①「ショルダーストラップ(エポーレット)」
いちばんのポイントは、邪道と言われるかもしれませんが「ショルダーストラップ」をなくしたところ。
コレがあることによって、肩がいかつく見えてしまったり、肩に鞄をかける時も邪魔になるので、この要素は取ってしまいましょうということになりました。女性ならではの意見です。 (*あった方が格好よくて良い!という意見もありましたが、LBのトレンチはあくまでも着やすいものであって欲しいという思いもあり、あえてこれをなくしました。)

②「チン・ウォーマー」
トレンチの特徴的なデザインでもある、チン・ウォーマーはいかしました。 あごを覆う三角形の布片。雨風が入るのを防ぐ役割があります。

③「ガンフラップ」
ライフルの銃床を支え、撃った時の衝撃から体を守るためのものだったパーツ。現在でも雨風を防ぐ役割を担うということでこれもいかしました。

④「Dカン」
腰ベルトに付けられた「D字型の金具」を『Dカン』といいます。 本来は手榴弾や水筒をぶら下げるための装備とのこと。現在でも装飾として付いているものもたくさんありますが、実際の役割を知ると物騒な気もしますし、いかつい要素もあるので、付けないことにしました。

⑤「インバーテッド・プリーツ」
ひだ山を内側に突き合わせた構造のプリーツ。内側のボタンを外すと大きく裾が広がる仕様。 見た目はボックスプリーツを裏返したようなプリーツのことです。これもそのまま採用。
※インバーテッド=逆さにした の意味

そして、こんなに発売時期が伸びてしまった最大の理由は“生地”と“工場”です

 

 

 

 

 

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⑥生地『ベンタイル』
この「ベンタイル」という生地は綿を超高密度に織り上げた素材。 超微細ピーチ起毛加工とはっ水加工を施したしっかりとしたハリ感のある、綿100%双糸使いの織物です。 外部から侵入する水は遮断し、内部から生じる汗や水蒸気は外へ逃がすので、ムレやベタつきを解消してくれます。

もともとは、英国空軍パイロット用の耐水服素材として開発されたもので、日本では防衛庁の海難救助服として利用されているそうです。

まずは、この生地の確保にも手間取りました…。
(開発担当K氏:談)

⑦ライナー
ライナーは柄アリにしようかどうか?と色々な素材を見た結果、やはり最もシンプルな黒にし、良い素材を採用しようということになりました。エキストラファインウール原料にカシミヤを混ぜたソフトな風合いで温かみのある素材。無地のヘリンボーン柄でシックです。

『 ひとつめの山… 』

 

 

そして、なんと言っても要だったのは「縫製工場」です。
以前、ニットの工場を見学に訪れたその足で、コートの縫製工場もまわってきたのでありました。

 

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その工場とは、それこそ“トレンチコートと言えば”といって、必ず名前があがるような有名ブランドのコートを縫っている工場でした。私たちがお邪魔した時も、もれなくそこのコートを縫っておられましたが、パーツパーツもとてもきれいで、それはそれは素晴らしい仕上がりのものばかりでした。そんな工場で縫ってもらえるなんて!と感激していましたら、大きな「山」は目の前に立ちはだかっていたのであります… それはそうですよね、、、時期も時期、そんな立派な工場はピーク時は猫の手も借りたい程、大忙しなわけでして、うまく隙間に入りたくとも、なかなかそうはうまくいきません…。生地が出来上がるタイミングと工場の縫製スケジュールが合致しない…。そうやって、まずひとシーズン逃してしまったワケです…、、、
だからといって「別の工場で」という話にはなりません。せっかく巡り会えた素晴らしい工場なワケでして、やはりこだわりの逸品を目指す我がLBにとっては、そういうところが非常に重要なポイントなのです。

※ちなみに、、、 ここの工場、実は3.11の震災時に被害に合われたとのこと。 私たちが訪問した時には、キレイに修復されていましたが、その当時はそれはそれは大変なことになっていたそうです。それでも、復旧し皆さんこうやって日々作業をされている姿を拝見すると、本当に感服致します。脱帽。

 

 

 

 

『 そして現れた谷… 』

 

 

 

 

 

 

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ひとつめのシーズンは逃したものの、せっかくの企画をこのまま逃してなるものか!というか、何が何でもトレンチを作るぞ!と意気込み、パタンナーS女史にトワル〜パターンと作成してもらい、何とか1stサンプル作成まで至りました。 流石!と言わんばかりの上がりです。惚れ惚れするとはこのことか!甚く感動しておりました。
これで、生地さえ工場に入れてしまえば春には間に合う!なんて思っていた矢先…、それまで見えていなかった落とし穴のような深い“谷”が突如として現れたのでした… あんぐり、、、です。

なんと、生地屋さんより「生地に汚れとシワが発生しました」との連絡が入ったと、開発担当K氏より報告がありました。画像とともに送られてきたメールは、次のような内容でした。

 

 

 

 

プリント

————
*メール、一部抜粋

■不良箇所
①加工時の汚れ
②加工時のシワ(部分部分に発生)

※①に関しては補修可能ですが、②に関してはコーティング加工を施しているため不可との事です。
※縫製工場からのコメントが月曜日にきますが、使用できないと思います。
————

ガーン、、、オーマイガー…であります。なんてこった、こんな時になって。
まさに、やり直し〜です。そんなこんなで工場さんとのスケジュールがまた…振り出しに戻ってしまったのであります。ホント、今回の問屋さんはなかなか卸してくれません、、、
という恐ろしい状況になり、一旦思考停止…とともに、一気に「谷」を急降下していったのでした。 そうやって企画発起後、販売タイミングの2シーズン目を逃すことが余儀なくされたのです…。

んーーーー、ホントものづくりって一筋縄ではいかないものですね。 だから、完成した時の喜びと感動は大きいってのもありますが。

 

 

 

 

 

『 こうなったら、とことん待つ… 』

 

 

 

というワケで、石の上にも3年…いや、それはオーバーか。例えるならば「果報は寝て待て」的な?、いや、もうそんな心の余裕もないので「果報はもう、起きて待ちたい今日この頃。」と過去の自分が作ったなんちゃって川柳的な気分であります…。

―――そして5ヶ月が経過……(…ジャーン!再起動。)

 

 

 

 

プリント

時は6月、関東も梅雨入りした今日この頃。
企画はじまりから早1年が経過しようとしています… ずーっとタイミングを見計らっておりました、
その時です。開発担当K氏より 「生地見本があがったよ!」との一声が!
待ってました!
言わずもがな、素晴らしい生地です。

これで無事、今年は待ちに待ったトレンチコートが秋にはデビューできます。(前にも書きましたが、この時、6月半ばです。このまま何も問題が起こらないことを祈るばかり、、、) なんて胸を撫で下ろしたのも束の間でした…。早速、不良が出たとの一報が、、、。何でも少量の生産だとうまくいかず、織りジワや汚れが発生するのだそうです。こういったやり取りを何度かし、やっと生地があがり、秋までには意地でも間に合わすぞ!と意気込み、縫製工場へ生地を入れたのでありました。

 

 

 

 

『 7月。いよいよ、縫製に入りましたー! 』

 

 

 

 

やっとこさで、最終コーナーにさしかかりました!
縫製に関しては、1stの時点でほぼ完璧でしたので、何の問題もなくスルスル〜〜〜ッと進行しました。(縫製工場の皆様には、度重なるスケジュール変更でその度にご対応いただき、本当に感謝しております。)
そして、最終的にあがってきたものがコレです。
ジャーン!

 

 

プリント

 

 

「素敵☆」
惚れ惚れします。
これを着れば、ワタクシも果たして‘凛’とした女性になれるのでしょうか…??
…それは、また、別の話。
ということで、感無量の出来栄えのこのトレンチコート、自画自賛ではありますが高級ブランドにも見劣りしない素晴らしい逸品となりました。

※このコートを制作するにあたり、ご協力・ご尽力いただきました全ての関係者の方々へ感謝致します。

 

 

プリント

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#021_こだわりの「トレンチコート」